巡り合わせの不思議さ
私が長年にわたって使用してきた日常使いのビジネスバッグは、少し重くはあるのですが丈夫な生地と機能的な作りで、日々多くの書類等を持ち歩く私には重宝するパートナーでした。
しかし、昨年後半くらいから、歩行時にかかるその重たさが負担になり始め(特に腕や首肩等)、普段使いも出張用と同様にキャスター付きのバッグにしたいと思うようになりました。
1週間ほど前、ほぼ正方形の心惹かれるデザインで軽量・コンパクトなスーツケース(ポリカーボネート)素材のキャリーバッグを見つけ購入を決めました。ただ店舗に在庫がなく、時間が10日程度かかることは気になりましたが取り寄せてもらうまで待つことにしました。
購入を決めたそのキャリーバッグは気に入ったのですが、選定の際から一点だけ気になっていたことがありました。スーツケース素材であるが故に、バッグの表側にこれまでのようなポケットや手軽に収納が出来るファスナー等は当然?無く、中身を取り出すには上部に1箇所しかないファスナーをシッカリと開けないといけないことでした。
今使用している鞄には、フロント部分にペットボトルが楽々入る専用のポケットがあったり(ボトルが濡れていてもポケット内部が加工されているので心配なく使え重宝しています)名刺ケースや小物も入れられるポケットが複数ついていて、普段何気なく使ってきましたが、こうして検討してみると改めて使いやすさを実感した次第でした。
でも、「スーツケース型のキャリーで軽量・強度もあり雨にも強くおしゃれなデザイン」と「表面のポケットで実現できる機能性」は両立が出来ないのもやむを得ないか・・・と自分を納得させつつ、使い始めれば慣れるかな、とも思いながら、NEWバッグ到着を楽しみにしていたのも事実でした。
バッグの取り寄せ予定日までまだ少し日にちのある先日、空いた時間にちょっとした買い物をした後、喫茶店に入った際、購入した商品の入った袋をテーブル下の棚に入れたまま店を後にしてしまったのです。30分ほどたって気がつき慌ててお店に電話をしましたが、まさかの・・・「該当の袋は見あたらない」との返答に大きなショックと後悔の念で落ち込みました。自分が悪いのですが・・・それにしても。
でも、お店に置き忘れた購入後の商品の袋がないと言うことは、残念ですが出てくる可能性はまずないと考えざるを得ないと思い、忘れることにしました。
なくなってしまったことは忘れることにしましたが、その商品自体はどうしても必要なものでしたし、正直悔しい思いもあり・・・、その夜の帰宅途中に途中下車し、購入店舗(チェーン店)の新宿にある別店舗で同じ商品を再購入しました。
そのついでに、ちょうど取り寄せ中の例のバッグをもう一度見てみようと思い、至近にある百貨店のバッグ売場を訪れました。でも専門店のブースにはあいにく同型のバッグは展示しておらず、仕方なく、そのまま周辺のバッグ売場や他のブランドの専門店のブースを何気なく眺めていた私の目に、別ブランドの商品が飛び込んできました。
小型のスーツケース型のキャリーバッグのフロント部分に大型の開閉可能な生地のポケットが付属されているのです。まさに、「これぞ、求めていたもの」だと思いました。
その場で入念に検討し、結局、そのバッグを購入することにしました。
申し訳なかったですが、取り寄せ依頼中のバッグはその場で急ぎキャンセルの連絡を入れその後手続きを終えました。
後から出会ったそのバッグが今日自宅に届きました。収納する諸々の中身を移し替えながら、やはりこのバッグにして良かった・・・と実感しました。デザインのおしゃれ感やキャスターのなめらかさ等はキャンセルしたバッグの方がやや優れているようにも思いますが、やはりフロントの開閉可能なポケット等は私の活動スタイルにとっては捨てがたい貴重な機能ですので、このバッグに出会えて良かったと思いました(もちろん、事前に十分に調査等をしておけばわかったことなのかもしれませんが。買い物は「衝動」でもありますので、笑)。
それもこれも、喫茶店で忘れ物をし、とても苦い思いをしましたが、たまたまその日再び時間があり、悔しさもあり思い切ってその商品を再購入するために新宿へ向かったことが、結果として、ふらっと鞄売場へ立ち寄るキッカケになったわけです。そしてそこで、キャンセルした商品が店頭掲示されていなかったことも、辺りをウロウロする行動につながり、それがこのバッグとの出会いになったのですから・・・。忘れ物をしたおかげ?だった(あまりにも楽観的ですが)と思いました。
ちなみに・・・喫茶店に置き忘れてきた商品入りの袋ですが、「ありません」と回答を得ていた喫茶店から、その日(このバッグの購入手続きをして帰宅した後)夜に「店内で見つかりました」(???)との連絡があった次第です・・・。
最初に、置き忘れて急ぎ連絡をした段階で、「店内にありました」となっていたら、やはり、あの日わざわざ新宿へ降り立つことはなかったはずですので、このバッグに出会うことはなかったと思います。重ねて不思議な感じがしました。
人生、いろんな巡り合わせがあるのでしょうね。
人と人との出会いや仕事等の縁も・・・、様々な場面で色々な道や選択肢があって、私たちは、日々そうした中で気づかずに何気なく過ごしていることも少なくないのだと思います。
強い思いを持ってたぐり寄せる縁やキッカケもあれば、どんなに強い思いも思いのままで終わることだって残念ながらありますよね。
でも、その一方で、思いがけないこともまた起こったりもする。良いことも悪いことも起きますが、その事実や現象に対しての自分自身の受け止め方次第で、その後の状況が変わることだってあるのだと思います。いろんな意味で、やはり「行動」することは大事なのでしょうね。
私事の些細な話から、話もやや逸れてしまいましたが、今回は改めてそんなことを感じました。