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深い感動と感情

今日19日は、朝から自動車でコンサルティング先へ向かい一日仕事をしてきました。
高速道路で往復約200キロの車中では、久しぶりに浜田省吾さん(以下、敬省略)の楽曲を聴いていました。

 

浜田省吾の曲に初めて出会ったのは、私が中学2年生の時です。今、私のPCには数え切れないほどのミュージシャンの数え切れないくらいの楽曲が入っていますが、中学生の頃から30年以上の時を経て、今もなお聴き続けているアーティストは、同氏を含め、安部恭弘、杉真理、佐野元春、等5人もいないのではと思います。それにしても、私は今44歳、浜田省吾氏は今年59歳になるはずですので、年月の経過を感じます。

 

それはそうと、
今日は、本当に、朝たまたま、車のエンジンをかける直前に、浜田省吾を聴きたくなり、私の浜省のお気に入りを集めたマイベストセレクションCD(16曲入り)をドライブ中ずっと聴いていました。
そのCDのラストの16曲目には、「僕と彼女と週末に(作詞・作曲:浜田省吾)」という曲が入れてあります。この曲は、1982年に発表されたアルバムの最後の曲として収録されていて、発売後、既に30年近い歳月がたっています。当然、私もこれまでの人生の中で何度聴いたかわからないほど聴いてきました。

 

しかし、今日の「僕と彼女と週末に」を聴いた私には、特別な感情が芽生え、ハッとしました。今更ながら、本当に今更ながら・・・この曲の、この曲に込められた、深いテーマと強烈なメッセージに気づき、驚き、行き帰りと何度も聴き返したのです。「これが本当に30年前に創られた歌なのか?!」
実は、今日の「僕と彼女と週末に」は感極まる思いを感じたのです。

 

歌詞だけでは伝わらないとも思いますが、以下に、全文を紹介してみますので、まずはよろしければ読んでみてください。ちなみに、歌詞カードには、以下の「セリフ」部分は記載されていませんので、該当部分は、私の楽曲からの聴き取りにより記載してみました。

 

★僕と彼女と週末に(浜田省吾)・・作詞・作曲 浜田省吾・(収録時間9分1秒)・

 

この星が何処へ行こうとしてるのか もう誰にもわからない
権力(ちから)と権力(ちから)のSee-Saw-Gameから 降りることさえできない
人は一瞬の刹那に生きる 子供は夢見ることを知らない
君を守りたい ただひとりの 君を守りたい この手で 愛を信じたい 人の心の 愛を信じたい いつの日か

 

昨日の絵の具で破れたキャンバスに 明日を描く愚かな人
売れるものならどんな物でも売る それを支える欲望
恐れを知らぬ自惚れた人は 宇宙の力を悪魔に変えた
君を守りたい ただひとりの 君を守りたい この手で 愛を信じたい 人の心の 愛を信じたい いつの日か

 

(以下、セリフ)
週末に僕は彼女とドライブに出かけた
遠く街を逃れて、浜辺に寝転んで
彼女の作ったサンドイッチを食べ、ビールを飲み、
水平線や夜空を眺めて、僕らはいろんな話をした
彼女は、彼女の勤めてる会社の嫌な上役のことや
先週読んだサリンジャーの短編小説のことを話し、
僕は、今度買おうと思ってる新車のことや
二人の将来のことを話した
そして、誰もいない静かな海を二人で泳いだ

 

あくる日、僕は吐き気がして目が覚めた
彼女も気分が悪いと言い始めた
それで僕らは朝食を取らず、浜辺を歩くことにした
そして、そこでとても奇妙な情景に出会った
数え切れないほどの魚が、波打ち際に打ち上げられてた
(以上、セリフ)

 

いつか子供たちに この時代を伝えたい
どんなふうに人が 希望を継いできたか

 

君を守りたい ただひとりの 君を守りたい この手で 愛を信じたい 人の心の 愛を信じたい いつの日か

 

君を守りたい ただひとつの 君を守りたい この手で 愛を信じたい 人の心の 愛を信じたい 今こそ

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

この曲を聴いたのは約1年半ぶりくらいですが、今日聴いたこの歌詞、どう考えても今の私には、・・・原発事故や放射能汚染、被爆、壊れゆく当たり前で平穏な生活や世の中、そして、将来を担う子供たちや大切な人たちの夢や安全に対する大きな危機感・・・。を強く想起させるものでした。

 

特に、上記歌詞の中で、
「この星が何処へ行こうとしてるのか もう誰にもわからない」これだけでも政治や政争、環境汚染等を含めて相当のインパクトがありますが、最も気になったフレーズは「恐れを知らぬ自惚れた人は 宇宙の力を悪魔に変えた」です。これは、まさに、3月以降の今の環境・今日の東京に拠点を多き日本に生きる私にとっては、放射線を使った原爆や原発のことを言っているとしか思えませんでした。

 

一見ロマンチックな印象を受ける、上記の「セリフ」箇所も、実は危機的な状況を示しているように感じました。「そして、誰もいない静かな海を二人で泳いだ」二人が翌朝「あくる日、僕は吐き気がして目が覚めた。彼女も気分が悪いと言い始めた」つまり、2人が被爆した状況を示していると思えるのです。さらにその証拠に、「数え切れないほどの魚が、波打ち際に打ち上げられてた」とあります。これも放射能で汚染された海を示しているように感じます。以前は、なぜ、大量の魚が死んでいるのか?位にしか感じませんでしたが・・・。

 

そして、何度もサビの部分に出てくる、「君を守りたい ただひとつの 君を守りたい この手で 愛を信じたい 人の心の 愛を信じたい 今こそ」
「いつか子供たちに この時代を伝えたい」
「どんなふうに人が 希望を継いできたか」・・・これまで一生懸命生きてきた人たちへの敬意と、将来を担うはずの子供たちへのあふれる愛を全面に表し、現代の危機的な状況に強い警鐘を鳴らしている、この歌が、30年前に創られた歌なのか・・・。
だとしたら、こんな未来予想図的な歌があるのだろうか・・・と。

 

この3月の震災後に創られた歌と言っても良いのではないかと思えるような、余りの新鮮さと深い悲しみと愛情に、胸が熱くなりました。

 

本から、人はたくさんの知恵と学びを得ます。同時に、音楽も、我々に、様々な気づきと感動を与えてくれるのだと言うことを、今日改めて感じました。

 

30年前、当時29歳だった浜田省吾さんが、この曲をどんな思いで作ったのか・・・。

 

皆さん、最近、何かに心を打たれたり、感動して、思わず涙したことはありますか?