一瞬のトワイライト
6月7日(火)。
日曜日からの出張の帰りです。夜7時過ぎ発の便で空路 羽田に向けた機内にいます。
今日の中国地方は、夕方くらいから雨足が強くなりました。
が、高度を上げて、雨雲を突き抜けた飛行機の窓からは、西日本の青空と夕焼けが広がっていました。地上の雨模様とのあまりのギャップと、壮大な美しさに驚き、向かいで同様に外を見ていたCAさんと偶然顔を見合わせたら、思わず笑みがこぼれました。
今、時刻は19時半になろうとしていますが、機内には日の入りの遅い太陽の光が差し込み、眼下に広がるダークグレーの雲海と遠景のダークブルーの空の間にオレンジ色の夕焼けのラインが横一直線に長く伸び、幻想的なコントラストを織り成しています。
私は機内では、ほぼ例外なく通路側に席をとりますが、今日は隣の窓側が空席でしたので窓までの距離はそのままに、暫しぼーっと眺めていました。オレンジの夕焼けラインは、ものの10分も立たないうちに薄くなり、消えて、遅い夜が訪れました。
「一瞬のトワイライト」・・・。
今日は一日、接客販売業を主業とするコンサルティング先の各店舗から総勢10数名の接客スタッフのツワモノたちが集まり、小ホールを借り切っての接客販売のロールプレーイング大会がありました。私も審査員として参加し熱心な参加者の皆さんの取り組みにエールを送りながら、真剣に審査表に評価やコメントを書きまくっていました。
お客様の求める様々なニーズや状況に対応しながら、どんな時も笑顔を忘れず、お客様の要望や声に真剣に耳を傾け、限られた時間の中で、お客様のニーズを的確にキャッチし、時にはクレームに対しても、それをしっかりと受け止めつつ、自社の意図した提案も織り込みながら説得力あるスムーズな接客をしていくことは、口で言うほど簡単なものではないですよね。
しかも、舞台上でライトを浴びて社長・経営幹部をはじめ応援してくれるギャラリー(社内のメンバーや関係者)等に熱い視線を向けられる中での実演は、かなりの緊張もありますから普段の実力を十分に発揮仕切れなかったスタッフもいたように感じました。
でも、一人ひとりの今日のこの場の経験が明日への成長に繋がることは間違いないです。上位受賞に感極まって涙するスタッフもいて 盛り上がりうちに表彰も終わり、舞台上で講評、総括をさせてもらった私も、いつになく緊張してしまい、この緊張は・・・何だろう状態・・・でした(苦笑)
さて、飛行機はいつになくとても揺れています。
年間70回位は飛行機に乗りますが、これほど揺れることは久しぶりな気がします。
震災後の世の中も未だに大きく揺れています。政治も経済も、そして生活の安心・安全も・・・。多くのことが、揺れている今日この頃です。
でも、この揺れの中を我々は前進しないとなりません。
様々な揺れに伴う環境の変化にも、あるときは真っ向正面から、また、あるときは、回避しながら、既成概念を取り払い、柔軟性と積極性と、そして真摯さを持って。
今の機内では、私の帰宅に向けた道のりや安全は、コックピットで操縦桿を握る機長に、日本の直面する困難への対応や将来の展望は首相他閣僚等に、そして会社では社長や経営幹部に、組織の成長・発展や安定・安全等の行方が委ねられています・・・。
揺れも何とか収まった頃、最終の着陸体制を告げる機内のベルがいつも通り4回鳴りました。
窓からは真っ暗な夜空の下に、たくさんのオレンジ色の街の明かりが、今度はスポットライトのように見えていました。