ハナミズキと人材育成?
今日の東京は、とても暑くなりました。
このまま夏が来たらどうしようと、少し不安にもなり・・・。
午後から西日本に向けて空路移動しましたので、今は出張先のホテルでこのコラムを書いています。ホテルの部屋の窓を開けて涼しい風を部屋に入れてもちょうど良い感じです。今日は全国的に気温が上がったようですね・・・。
今朝は気持ちのよい日差しに誘われるように玄関先へ出て、自宅のガレージ脇に植わっている草花や樹木を暫しボーッと眺めていました。初夏の日差しが眩しい朝でした。
自宅にはハナミズキ(花水木)があります。この家に住み始めた時には、すでにこの木はこの場所に植えられていましたので、もうかれこれ8年位の付き合いになるでしょうか・・・。
ハナミズキは落葉樹なので、秋は葉がきれいに色付き、その後紅葉した葉は秋風で思いっきり落ち散らばり・・・冬は枝だけの状態になってしまいます。
でも、今朝、久しぶりにじっくり見た我が家のハナミズキは、元気のよい緑の葉がたくさん付き、たくさん咲いた小さな薄桃色の花が風に揺れていました。
秋は落ち葉の掃除が大変だから他の木に植え替えようかと、幾度となく思った時もありましたが、今朝見たこの木には、自然の息吹を感じ、青い空の下で力強さと繊細さを感じ、癒された気がしました。
それにしても、いつの間にこんなに葉っぱが出ていたのか、そして、花まで咲いていたなんて・・・。毎日、出かける時にはこの木の横を通っているはずなのに、変化に気付きませんでした。というより、見ているようで見ていなかったのです。たぶん。
忙しくて余裕なかったのかな・・・なんて思ったりもしつつ。でもそんなことではないのです。関心がなかったのです。
話は違うようですが、例えば、
昨日の夕食何を食べましたか? 咄嗟に聞かれて思い出せないなんてこと、ありませんか?(苦笑) 黙々と当たり前に出されたものをただ食べていたりすると・・・こんなことにもなりかねません(苦笑2)。
私は、管理者向けの研修等で、参加者に、よく「100円玉の図柄」を描いてもらいます。もちろん、実物を見ないで、です。100円玉は、誰でも生きてきた時間に比例して数え切れないくらい見ているはずですよね。
でも、書けない、図柄を思い出せない・・・。
関心なく見ていると、見ているようで見ていない、少なくとも記憶に残らないことも多いのです。でも、実際は見ていますから、時間をかければ、少しは思い出すのですが。
職場でもこのようなことが起きています。経営者や管理者の皆さん、部下やメンバーの行動や表情や様子を毎日本当に見ていますか?期待している(気の合う)部下やメンバーであっても、もそうでない部下であっても、等しく、です。
加えて、管理者の皆さん、部下やメンバーに対してこちらから積極的に声をかけていますか? 朝一番の「おはよう」に始まり、「お疲れ様」まで・・・。
「期待する人は伸びる」とよく言います。
実は、期待している人(部下)は勝手に伸びるわけではなく、期待している部下に対しては、そうでない部下に比べて、(上司は部下に)無意識のうちにより多くの声をかけていることによる、ということが背景にあります。無意識に行っているところが怖いところでもあります。
ハナミズキの話から広がりました。
関心を持って見ると、これまで気がつかなかったいろいろなことが見えてきます。関心も愛情も愛着も生まれてきます。良いところも見えてきます。職場の人間関係も同じかもしれません。
よいところが見えれば、それを言葉にして「ほめたり」「認めてあげる」という行動にもつながりやすくなります。そうすることが、実は最も効果的な人材育成の基本形とも言えます。職場の部下育成、人材育成は、実はこんなところから始まるといっても過言ではないのです。
今日は母の日でしたね。
お母さんや奥さん等が心を込めて作ってくれた料理、当たり前ではなく「感謝の気持ち」をもって食べていますか?(笑)「おいしいね」「ありがとう」「ごちそうさま」という当たり前ですが温かな言葉でその気持ちを表現していますか?
そんなことも改めて考えさせられた一日でした。