顧客ニーズを創造する「CD」
ハイレゾ(=ハイレゾリューション(高解像度))音源って知っていますか?
通常、音楽配信やCD(コンパクトディスク)等で再現される音楽は、生の音(原音)をかなり圧縮しているため、音質は原音からはかなり劣っています。ハイレゾ音源とは、これを克服することで、元々の音に近い再現レベルで、人の耳では聞こえないと言われる高音域まで再生できる音源のことです。
「へーっ!すごい、こんなにいい音で聴けるんだ」
つい最近、ハイレゾ対応の携帯音楽プレーヤー(ウォークマン)とハイレゾ対応イヤホンを購入しました。この2つは、私にとって最近の最新の「CD」=顧客(customer)感動(delight)です。
日々持ち歩いてきたウォークマンの(もう何年も繰り返しの充電を行ってきたせいだと思いますが)バッテリーの持ちが極めて悪くなってしまっていたこともあり、どうせ買うならとハイレゾ対応の機種に。せっかく音質も良くなるならイヤホンも少しこだわってみようかと検討。
これまでは、2,000円程度のイヤホンを使用していましたが、家電量販店の店頭にあったハイレゾ対応に近い品質のイヤホンで試聴してびっくり。「すごい!こんなにいい音で聴けるのか・・・」驚いている私に、店員さんはさらにもう一ランク上の機種を。ガラスケースから取り出されたのは オーディオテクニカ社製のハイレゾ音源対応の限定生産モデル。聴いてさらにびっくり。さっきのよりさらに良い音。低音もしっかりと再生されてクリアで深い音に包み込まれるような感じなのです。
結果的にウォークマンと同じくらいの値段のイヤホンを購入することになりました・・・。
もともと、デスクのPCの両側には「BOSEのデスクトップ スピーカー」を配置し、小音量でもしっかりと聴ける環境を作っていますので、個人的には、音質に全く無関心であった訳ではありませんでした。でも、イヤホン(ヘッドフォン)で音質を追求した聴く環境を求めるまでのレベルではありませんでした、というか、その楽しさに気づいていませんでしたので、今回、店頭で聴いた音質のすごさにはビックリの一言だったのです(まさに、CD =Customer Delightです)。
もちろん、まだ、私の手元にある楽曲たちはハイレゾ音源ではありませんので、今聴いている音源自体がハイレゾになったらさらにどういうことになるんだろう、と思います。
今回の私の購買体験は、企業規模や業種を問わず、B to BやB to C も問わず、企業のみなさんに仕掛けていってほしい取り組みです。曖昧であった顧客の「潜在ニーズ」を「顕在ニーズ」に変化させる取り組み、それはつまり「新たなニーズ」を「創造」する取り組みです。
上記のハイレゾの例で言えば、この新たな音源の本格的な普及によって、頭打ち・停滞傾向にあった音楽市場が再び活性化し市場の成長につながっていく可能性が出てきているのです。
つまり、市場のパイが限られていたり、成熟化していたりする昨今、業界を問わず、会社は顧客を驚かせ、そして新たなニーズに気づかせるような、こうした取り組みを行うことがとても大事になります。
「みなさんの会社には、他の会社と価格競争しなくていい、うちの会社にしかない独自の商品やサービスがありますか」
これは、私が、経営の現場でいつも問いかけ、そして、中小企業のみなさんと常に追求しているテーマです。
もうまもなく始まる、来たるべき 2015年、改めて、そんなテーマを考え、形にしていく取り組みを行ってみてはいかがでしょうか?
その思いや覚悟が、きっとこれまで以上に、ワクワクする「会社の成長」と「社員の成長」を実現することにつながっていくと信じて。